蚤の市便り(DAY2)
週に4日開催されている蚤の市に連日出かけるとどんな様子だろう?2日連続で訪れてみた。普通の蚤の市は朝からお昼までに訪れるほうがお宝に出会える確率も高いのでうんと早起きしていくけれど、スペインの蚤の市はどうやらそうとも言えない感じがする。まず朝が遅い。だんだん集まる感じなので早い時間だとあまり活気もない。この日は私も出遅れて16時〜17時くらいに会場に行ったけれど、初日のお昼くらいよりもずっと人出もあって活気があった。出店も多かった気がする。
もともと朝にめっぽう弱い私には向いているかもしれない。遅い時間に行ってもまだまだやってるよ!という雰囲気は1日を長く感じられるので嬉しい。こちらにきて1ヶ月がたつけれど、いまだに午前中をほとんど寝て過ごしている。朝は9時過ぎにならないと明るくならないことも、夜よく眠れていないことも原因だと思うけど、言葉で十分コミュニケーションの取れない今、行動を始めるのに消極的になってしまっていることも一因だとわかっている。少しでも街に出て人の会話を聞いたり、カフェでの注文を繰り返しやってみたり、好きな場所を探したりすることがどれだけ(つかれる以上に)元気をくれるか、頭ではわかっているのに部屋から出るのに毎日ほんのちょっとだけ勇気がいる。
蚤の市は多国籍だ。店主たちもどこの人たちかいまいち分からないミステリアスな人たちだけれど、真に多国籍なのは売られているものたち。あれこれは中東のだよね?というものや真っ黒だけど明らかに輝きの違う英国製のシルバーたち、日本風のものにもみえる中国製の陶磁器たち、誰か子供が描いたような絵、状態が悪いけれどすごくいい感じの写真、誰かが誰かに宛てた異国の手紙の読めない筆記体、あらゆるホテルの名前の入った灰皿、水晶、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、その他神々の置物が入り混じり重なり合って蚤の市に積まれている。
その雑多さのなかに私自身も居場所がある気がしてどうしてもホッとしてしまう。
手書きの優雅な燻銀のラインがとても好きで、この日はこれだけ買って帰った。灰皿だけど石鹸置きにしてもアクセサリートレイにも。