蚤の市便り(DAY7)

蚤の市便り(DAY7)

年末の蚤の市は普段と違う顔を見せていた。常連のお客に加え、クリスマスの贈り物を探しにくる人たちがうんと増えることもあって、どの時間帯に行っても人が多い。出店者側も品揃えの雰囲気が違うし、古いものだけでなくクリスマスに纏わる雑貨やディナー用のテーブル用品を売るお店が増える。いつもここはカオスだけれど、クリスマスを前にしたお客の購買熱の高さも相まって、具の多すぎるスープ鍋のように混沌としている。

時々入場のための長い列を作っているのを見て断念したり、時間帯を変えたりして変則的に足を運んだ。店主のおじさんたちもいつもよりは忙しそうで、よく来るけれど少量しか買わない私には気がつかないか、目もくれず。

だからゆったりものを見れるかというとクリスマスのそわそわした空気にどこかぽうっとしてしまって、隅々まで見ることができない。それはたぶん幸せなんだけど、心もとない時間だった。日本でもそうだったように、「はやくお祭りが去ってくれますように」と安心したがりな私は心のどこかでスペインにいてもそう願っているようだった。

揃いの丸角のフレームにおさまった小さな油絵2点。アメリの部屋のようにシンメトリーに飾ったら素敵かも、あるいは室内と室外の中間のような場所の、植物のそばに立てかけたりしたら…?

絵を飾ることは楽しい。有名無名、オリジナル複製に拘りすぎず、もっともっと絵を飾ることがふつうになったら素敵だと思う。今はこの絵をベッドサイドに置いて日々眺めている。

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