八百屋のスーネ姉さん
今年初めに母のヨーロッパ旅行に同行した際、再訪したスペイン・バルセロナでは(その全ての人に会うのは叶わなかったけれど)会ってどうしてもお礼を言いたい人たちがいた。アパートの隣人マルタとその仲間たち、バルセロナの生活を何倍も楽しく心強いものにしてくれた現地の日本人の友人たち、そして八百屋のお姉さんと蚤の市の店主Jaferだ。
今年初めに母のヨーロッパ旅行に同行した際、再訪したスペイン・バルセロナでは(その全ての人に会うのは叶わなかったけれど)会ってどうしてもお礼を言いたい人たちがいた。アパートの隣人マルタとその仲間たち、バルセロナの生活を何倍も楽しく心強いものにしてくれた現地の日本人の友人たち、そして八百屋のお姉さんと蚤の市の店主Jaferだ。
もうすぐ秋が来たらバルセロナから東京に戻って1年が経つ。あっという間だったと言ってしまえばそれまでの、慌ただしいような空いた穴を感じないようにするのに精一杯のような、少し情けない気持ちでこの1年を過ごしてしまった。「例の疫病のせいで」と時間の使われ方や物事の濃度をボヤかすのにこれ以上慣れてしまいたくない。
夏真っ盛りの暑さが何日か続いたと思えば、このところは涼しく感じる日が増えた。
雨が降ったり、重々しく曇ったりするバルセロナを暮らすまでは想像してみたことがなかったけれど、季節の変わり目や秋・冬は割とそういう天気に見舞われることが一年を暮らすうちにわかってきた。
自分が何かを継続的に勉強したり、何かを習慣にしたりすることがとても苦手なのだと気がついたのは割と最近のことだった。最初は意欲が湧くのに続かない勉強。ヨガやストレッチのようなものもルーティンになったことがない。そんな私だけれど、蚤の市通いだけは習慣になっているとそろそろ言ってもいいかもしれない。
このあいだ、リクエストが重なって同年代の友だちをふたり蚤の市にお連れした。バルセロナの街に詳しい人たちもエンカンツの蚤の市は行ったことがない人が結構いるようで、連れてって!と言われることが増えた。
誰かと一緒に蚤の市に行くことについて今日は書いてみようと思う。このあいだ、隣人のマルタと一緒に蚤の市に行った。
自分の好みは偏っていると思う。基本的にモノトーンよりも色のあるものが好きで、シンプルよりは装飾が好きで、可愛いものは大好きだ。そのものが「楽しい」ことは自分にとってはとても重要だと思う。楽しいものには人生の良い部分が詰まっている。
今年のバルセロナは例年よりも寒い日が多いみたいで、日本も大雪が続いているという話を聞くと世界的に寒い冬なのだろうか。親戚のいる秋田でも豪雪で雪かきもままならない事態らしい。対して、東京の友だちがシェアしてくれた動画では積雪したマドリードの街中で颯爽とスノボやスキー、さらには犬ぞりで遊ぶ大人たち。雪の量はもちろん比べ物にならないけれど、スペインの大人たちのエンジョイ力(りょく)は素晴らしい。
年末の蚤の市は普段と違う顔を見せていた。常連のお客に加え、クリスマスの贈り物を探しにくる人たちがうんと増えることもあって、どの時間帯に行っても人が多い。出店者側も品揃えの雰囲気が違うし、古いものだけでなくクリスマスに纏わる雑貨やディナー用のテーブル用品を売るお店が増える。いつもここはカオスだけれど、クリスマスを前にしたお客の購買熱の高さも相まって、具の多すぎるスープ鍋のように混沌としている。
久しぶりのお便りになってしまったけれど、蚤の市には相変わらず通っている。更新までのあいだ、2週間ほど蚤の市会場も閉鎖されたりもしたけれど、もともと半オープンエアな会場なので間もなくして再開されてほっとした。